公開日 2026.04.01
西日本旅客鉄道株式会社 経営戦略部 小川 千春 さん

企業の思いを、社会に伝える。
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島根県出雲市に生まれ、幼いころから「地元で暮らしたい」と思っていたという小川千春さんは、現在、大阪・梅田に本社を構える西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)に勤務。本社で企業全体の方向性や価値を社内外に伝える部署に所属しています。戦略に関わる企画や情報発信を担う中で、島根大学時代に経験した「しまね観光大使」などの活動を通して培ってきた視点が生かされています。
目次
ずっと抱き続けた「地元が好き!」という思い

出雲で生まれ育ち、美しい風景や城下町の空気、温かな人との関わりなど、地元への思いが強かったという小川さん。進学にあたっても「地元の国立大学である島根大学へ行こう、と。それ以外の進路は考えてもいなかったんです」と話します。他県から進学してきた友人の言葉や、社会学や地理学における地域活性化などの学びによって、幼い頃から身近だった風景や人の営みをあらためて言葉にし、捉え直す時間を積み重ねていきました。転機は、大学3年生のときに島根県の観光PRを行う「しまね観光大使」に選ばれたことでした。「島根が好き」「この魅力をもっと多くの人に知ってほしい」。そんな率直な思いからスタートした観光大使としての活動を通じて、より深く地元の魅力を知るようになりました。一方で、東京や大阪でPR活動する機会が増えたことで、島根以外の地域の魅力も知ることができたといいます。

学業とアルバイト、そして就職活動とも並行しての観光大使の活動。「びっくりするほど忙しかったけれど、多様な視点が身につけられた貴重な経験だった」と振り返る小川さん。地元では当たり前の風景や文化が、他の地域の人にとっては新鮮に映ることを知ったのも大きな学びになりました。現在の勤務先である西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)も、観光大使として活動する中で出会った企業。地域に根ざす仕事を希望していたため「公共交通を担うだけでなく、地域観光や活性化にも力を入れていると知って興味を持つようになりました」。地元愛から担った観光大使の活動が、将来へと結びついた瞬間でした。
培った視点を企業の中で生かす選択
JR西日本に入社した小川さんは、鳥取県内にある米子支社(現在の山陰支社)勤務から社会人としての一歩を踏み出しました。学生時代から親しんできた山陰地域で「働く側」となったことで、通勤の道や駅の風景、利用する人たちの表情などが、これまでとは違って見えるようになったそう。地域に暮らす人たちの生活を企業の一員として支える業務の中で、大学時代に培ってきた視点が活かせる機会も増えたといいます。
地域の暮らしと鉄道が密接に結びついていることを実感した支店での勤務を経て、2016年には大阪・梅田にある本社へと異動。現在は、JR西日本グループのパーパスである「私たちの志」を社内外へと発信する仕事に従事しています。お客様に企業イメージを伝えるCMの制作や放映、社内に向けた社内報の記事作成、社員参加型のワークショップの運営など、その業務は多岐に渡りますが「社会における企業の存在価値やありたい姿を伝えるために、さまざまな方法を考え、多くの人たちとカタチにしていくのは大変だけれど楽しい」と話す小川さん。
JR西日本という企業の中で、社員と経営層、地域と企業をどうつなぐかを深く考える業務には「観光大使時代に培ってきた、相手に合わせて言葉を選ぶ力や背景を整理して伝える経験が生かされています」。常に「どうすれば伝わるか」という視点を大切にして、日々の仕事に向き合っています。
島根から出るとは思ってもいなかったという小川さんですが、転勤を機に地元を離れたことで、より愛着も増したそう。どんなに離れても地元を思う気持ちに変わりはありません。自分の生きる場所を誇らしく思う、その気持ちこそが、たくさんの人たちの大切な場所を支える企業の、ありたい姿を伝えていく日々につながっています。
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観光大使としてのPRイベントのひとコマ。「失敗したり悩んだりしたこともありましたが、すべての経験が私の大切な宝物」と小川さん。
※本記事は、広報しまだい63号(2026年4月号)で公開された記事をもとに再掲載しています。







