公開日 2026.04.01

ツナガルシマダイ

株式会社キグチテクニクス​

島根の地から
世界の航空機産業を支える

  • 株式会社キグチテクニクス
  • 専務取締役 武久 浩之さん

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 安来市に本社を置く株式会社キグチテクニクスは、航空機に使われる金属材料や複合材料(主に炭素繊維強化プラスチック)の試験・評価を専門とする企業です。航空機産業は世界でもっとも厳しい技術要求が課される分野。その安全を陰で支えるのがこの試験・評価です。
 島根大学との包括的連携協定を締結したのは、同社が新しい金属材料の研究を進めていた時期。積み上げた試験技術に大学の最先端の知見を組み合わせることで研究を加速させる狙いがあったといいます。「キグチテクニクス構造材料共同研究講座」としてスタートした研究は、現在「次世代たたらプロジェクト(※)」の一つとして次世代たたら協創センター(NEXTA)に引き継がれ、事業化を目指して最終段階に入ったところです。同社と島根大学では、ほかに2つの共同研究プロジェクトを行っており、合計で3つの共同研究を進めています。
 島根大学との連携を強化する同社には、もう一つ人と人のつながりを感じる物語があります。実は武久さん、東北大学での学生時代に現・材料エネルギー学部の三原学部長から直接指導を受けたという間柄。「材料エネルギー学部が新設され、三原学部長が就任したことで偶然にも再会を果たしたのです」と笑顔で語ります。同社では現在、部品を壊さずに内部の欠陥を調べる「非破壊検査」を行う新工場をソフトビジネスパークに建設中。完成すれば、世界水準の航空機部品の非破壊検査を行う拠点となります。「非破壊検査には超音波技術を用いるのですが、三原学部長は超音波研究の第一人者。非破壊検査でさらに連携を深めていきたいですね」。かつての師弟が30年以上の年月を経てご縁の地島根で再会し、今度は企業と大学という立場で航空機の安全を守るために欠かせない共同研究や人材育成に挑む。この不思議な縁に大きなシナジーを期待していると武久さんは微笑みます。
 また同社では、島根大学の学生に研究現場や最新設備に触れてほしいと企業見学会への参加やインターンシップの受け入れを積極的に行っています。同社にはこれまでも島根大学の卒業生が数多く入社し、難易度の高い航空機材料試験の分野で着実に力を発揮していることもあり「連携がさらに深化することで、島根から世界に通用する技術と人材が育つ基盤はさらに強固になっていくはず」と話す武久さん。師弟の縁を再び結んだ島根の地で、世界とつながる研究と事業が続いていきます。

※2018年採択 内閣府「地方大学・地域産業創生交付金事業」

 

※本記事は、以前に広報しまだい62号(2025年12月号)で公開された記事をもとに再掲載しています。

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