公開日 2026.04.01
日鉄テクノロジー株式会社 研究試験事業所

新しい境地を開く、
青銅器研究の国際拠点へ
島根大学WEBマガジン
に投稿する
いただいたご意見,ご質問ならびにご感想はShimaDAY編集部で共有し今後の制作の参考とさせていただきます。
皆様からの忌憚のない投稿をお待ちしております。

法文学部は、2024年12月に『日鉄テクノロジー株式会社』と産学連携研究協定を締結し、現在、“青銅器・青銅器文化・金工技術研究の国際的拠点”の形成を目指した取り組みを進めています。
協定締結の背景には、前年度に「原料レベルでの研究を行いたい」という岩本崇准教授をはじめとする大学側の構想があり、その実現のために分析を依頼したところ、想定を上回るデータが得られたことが契機となりました。これを受けて、現在も継続的に価値ある研究が行われています。これまでに30面以上の青銅鏡の分析が実施されており、その貴重なデータに大学も大きな期待を寄せています。

『日鉄テクノロジー株式会社』文化財調査室は、国内最大規模の試験分析会社として、さまざまな文化財に関する学術的・歴史的調査研究を行っています。同室には、最新の研究装置や分析機器に加え、材料研究・腐食調査・分析の専門スタッフが在籍しています。「私たちの仕事は、優れた分析技術に基づく“良質な結果”を出すことだけでなく、それを生かすための科学的な考察を行うことにあります。考古学研究をより深めていただくために、ワンチームで最善のサポートを行っています」と、研究に対する姿勢を語ります。
青銅鏡という貴重な文化財を、微小領域から採取したサンプルによる成分分析をするだけでなく,内部の組織観察を大胆に行う覚悟も必要です。実際、ウォータージェット加工を用いた断面観察なども行われました。こうした分析結果からは、製作された時代背景や技術の詳細が明らかになるだけでなく、当時の権力構造や文化の伝承方法など、幅広い歴史的知見を得ることができます。
「昔の技術を現代に応用できるかもしれないという視点もあります。分析は非常に奥が深く、単なる成分の違いだけでなく、当時の技術者の思考や手法を垣間見ることができ、分析のたびに感動を覚えます」と関係者は語ります。異なる専門性を持つ大学と企業が連携することで、新たな視点が生まれ、世界から注目される新たな価値創出へとつながっています。
-

令和8年3月7日に島根大学にて開催した古代出雲文化フォーラムの一コマ。「古代青銅器は何を見てきたのか?-科学が教える古代の技と環境-」と題して、渡邊緩子 文化財調査・研究室長が島根大学との連携研究の事例紹介を行いました。 -

令和5年、島根大学法文学部と日鉄テクノロジー株式会社は産学連携研究協定を締結しました。
※本記事は、以前に広報しまだい61号(2025年7月号)で公開された記事をもとに再掲載しています。







