公開日 2026.07.03

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「JCI JAPAN TOYP 2026SEED部門」グランプリ受賞報告会レポート​

第40回青年版国民栄誉賞
生物資源科学部生命科学科1年の藤原咲歩さんグランプリ受賞

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 本学生物資源科学部生命科学科1年の藤原咲歩さんが、2026年6月21日に東京都内で開催された「JCI JAPAN TOYP 2026(第40回青年版国民栄誉賞)」において、20歳未満の若者を対象とするSEED部門のグランプリを受賞しました。これを受け、6月23日、本学松江キャンパスにおいて受賞報告会が開催され、藤原さんより大谷浩学長へ受賞の報告が行われました。
 同賞は、公益社団法人日本青年会議所が主催し、科学技術、医療、教育、文化、起業など様々な分野において社会に持続的なインパクトを与える可能性を持つ若者を顕彰する制度です。国内最大級の若者表彰の一つとされ、今年で40回目を迎えました。20歳未満の若者を対象とするSEED部門は前回から創設され、藤原さんは、社会課題に対する貢献性や影響力、独自性、継続性、将来性などの観点から高い評価を受け、全国規模の選考を経てこの部門のグランプリに選出されました。

 報告会では、はじめに藤原さんから受賞の報告とともに、これまでの活動の歩みについて説明が行われました。藤原さんの取り組みは、小学6年生のとき、ご家族が脳出血を患い失語症や麻痺を抱えることになった経験に端を発します。それまで当たり前だった家族との会話が失われたことに戸惑い、「もう一度家族で自然に会話し、笑い合いたい」という思いを抱いたことが、研究開発を志す原点となりました。中学2年生の頃から本格的に活動を開始し、失語症や身体の不自由さを抱える方々の日常生活におけるコミュニケーション課題の解決を目指して、技術開発と研究、社会発信を組み合わせた取り組みを展開してきました。具体的には、「開発」「研究」「講演」「発信」という4つの柱のもと、利用者の視点に立ったデバイスやツールの開発、効果検証、医療従事者や学生への講演活動、さらにメディアやコンテスト等を通じた情報発信に取り組んでいます。
 藤原さんが開発された雑談創造デバイス『チット』は、会話のきっかけとなる言葉や話題を音声として提示することで、失語症などにより発話が困難な方でも自然な会話に参加しやすくすることを目的としています。開発初期には文字表示型のツールなども試作されましたが、実際の使用を通じて、単に意思を伝えるだけではなく「雑談」のような自然なコミュニケーションを生み出すことの重要性に気づき、現在の形に至りました。現在の形になるまで20以上のプロトタイプを重ねられたそうです。

 報告会では、こうした活動の背景にある思いや選考の過程についても語られました。藤原さんは大学受験のために一時活動を休止していましたが、合格後に同賞応募の推薦を受け、「これからも活動を継続していく決意を示す機会になる」と考えて応募を決意されたそうです。書類審査、一般投票、最終プレゼンテーションといった選考を経て、6月21日の授賞式においてグランプリ受賞が決定しました。
 受賞について藤原さんは、「これまで地方は都会に比べると様々な成長の機会が少ないと感じていた。でも今回地方でも全国レベルで評価されることを実感できた。この受賞はこれまでの歩みを肯定するものであると同時に、これからの活動へのエールだと受け止めている」と述べ、今後も多くの人と関わりながら挑戦を続けていきたいと抱負を語りました。また、「置かれた環境で咲くだけでなく、自ら新たな環境に飛び込んで挑戦する生き方が自分に合っていると確信できた」と振り返り、人とのつながりや感謝、誠実さを大切にしていきたいとまっすぐ語る表情が印象的でした。

 これを受け、大谷学長は「家族の境遇を原点に中学生の頃から継続して取り組み、それを社会に届く形まで発展させていることに強い感銘を受けた。研究内容のみならず、発表や姿勢からも高い人間力が感じられ、本学として大変誇りに思う」と述べ、今後のさらなる成長への期待を表しました。また、起業も視野に入れた取り組みについて、本学として研究支援や連携機会の提供を通じてサポートしていく考えを示しました。
さらに、オープンイノベーション推進本部の辻本和敬准教授からは、「TOYPは将来の社会を担う次世代リーダーを発掘する極めて権威ある賞であり、今回の受賞は藤原さんがその一人として認められたことを意味する」と説明があり、その意義の大きさが強調されました。

 報告会の最後に、これまでの活動やグランプリ受賞にあたって応援、推薦してくださった人々への感謝を述べられた藤原さん。人のいたみや心に寄り添い悩みをイノベーションで解決するその礎は、あたたかな家族の絆から育まれた藤原さんの人間力そのものであると感じました。
 藤原さんは今後、これまでに開発してきたデバイスのさらなる改良や普及に取り組むとともに、医療・福祉機関との連携を通じて実装を進め、より多くの人がコミュニケーションの壁を越えてつながる社会の実現を目指し活動されることを表明されました。本学としても、こうした学生の挑戦を積極的に支援し、その成果を広く発信してまいります。

ShimaDAYライター
はやこと
島根県松江市出身。島根大学企画広報課職員。
とりあえず笑顔、がモットー。五星三心占いは「金の羅針盤」。
長年爆音で音楽を聴き続けたせいで最近少し聞こえに不安が・・・。ライブ遠征と猫が好き。

ShimaDAYライター
はやこと

島根県松江市出身。島根大学企画広報課職員。とりあえず笑顔,がモットー。五星三心占いは「金の羅針盤」。爆音で音楽を聴き続けたせいで最近聞き返すことが多い。ライブ遠征と猫が好き。

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